生きづらいふ

人生をクリアに、シンプルに、さわやかに。

グズが一人暮らしを始めた結果、むしろグズがなおった

一人暮らしをはじめて、早一週間。だいぶ板に付いてきて、寂しさや心細さはほとんどなくなった。お気楽1人ライフを楽しんでいる。


一人暮らしをはじめて、自分の中でひとつ変化があった。


実家にいたときの僕は、何をするにしてもスタートが遅かった。あらゆる動作をめんどくさかって、いつまでもグズグズしていた。


たとえば、お風呂。基本的に僕はシャワーのみで済ませるのだが、それでさえめんどくさいと思ってしまう。いつも、あとで入ろう、といって後回しにしてしまっていた。


しかし、一人暮らしをはじめてみると。毎日ではないが、ほぼ毎日、グズグズすることなくすんなりとお風呂に入ることができている。


夕ごはんを作って、食べて、食べ終わったら、さぁお風呂入ろう、とスムーズに行動に移せるようになった。しかも、何の苦もなく。いたって自然な流れで。


スムーズな行動はお風呂だけではない。一人暮らしを始めると、すべての家事を自分でこなさなくてはならない。やることがたくさんある。料理、洗い物、洗濯、掃除など。これらすべての家事においても、スムーズに行動することができている。


料理をめんどくさがって、カップ麺やインスタント食品に甘んじることなく、きちんと自炊しているし、洗い物だってこまめにこなしている。


この変化は自分でも意外だった。自分がこんなにテキパキできる人間だとは思わなかった。なんだ、やればできるじゃん僕。


この変化の要因は、きっと2つある。


1つは、良くも悪くも、世話をしてくれる人がいない、ということだと思う。


実家では、もちろん母親があらゆる家事をこなしてくれていた。毎日、時間になればご飯が出てくるし、食べ終わった食器も洗ってくれる。


実家は、僕が黙っていようと、生活が周るような環境だったのだ。しかし、一人暮らしはそうはいかない。すべて僕がやる必要がある。逆にいえば、僕がやらなければ僕が困ることになるのだ。


なんでも自分でやるしかない。そういう環境に身を置いたのが、テキパキ化の要因の1つだと思う。


2つめの要因は、誰も僕の行動を見ていない、ということ。


一人暮らしということは、家には僕しかいない。つまり、誰も僕の行動を見ていない。僕がいったい何をしようと誰もとやかく言わないのだ。


僕は、行動するとき、つねに他人の視線を気にしてしまう。「自分の行動が間違っているんじゃないか?」「自分はなにかおかしなことをしているんじゃないか?」人がいるところでは、いつもそんな風に不安に思ってしまう。


それは、たとえ僕を見ている人間が家族であったとしても、だ。むしろ、僕が自分の行動に自信を持てなくなってしまった原因は母親にある。


母親は、僕が小さいころから、僕がなにかをするたびに、「ちがうでしょ!」「ほんと不器用だね!」「どんくさいなー」「貸してごらん」と、僕の行動を否定してきた。


そして、じわりじわりと僕の自尊心を奪っていき、僕はすっかり臆病になってしまった。失敗をするのが怖くなってしまった。失敗を恐れるあまり、行動するのが遅くなってしまった。グズ人間の誕生である。


だが、一人暮らしをはじめたことによって、僕の行動を監視する人間はいなくなった。僕は失敗を恐れず、伸び伸びと行動することができるようになった。もちろん、完全にグズを克服したわけではないが。でも、だいぶマシになったと思う。


家に僕しかいない。その環境が、僕の行動をスムーズにした。僕がやらなければ、困るのは僕だし、僕がどんな行動を起こそうとも、監視し、否定する人間はいない。


こうしたメリットもあって、今のところ、一人暮らしは順調だ。(少し体調を崩した以外は。)

グズをなおせば人生はうまくいく―ついつい“先のばし”する損な人たち (だいわ文庫)

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