生きづらいふ

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生きづらさから抜け出すためのヒント

パワプロという野球ゲームがある。

 

あのゲームではひとりひとりの選手に能力値が設定されている。たとえば、横浜DeNAの筒香選手の能力は以下のように設定されている。(まちがっているかもしれない)

 

  • ミート:B
  • パワー:A
  • 走力 :D
  • 肩力 :D
  • 守備力:D
  • 捕球 :D

 

それぞれの項目ごとにアルファベットで能力が設定されていて、Sが最高で、つづいてA、B、C、D、E、F、Gと順番になっている。筒香選手の場合だとパワーがAなのでとてもパワーのある選手だと分かる。

 

さらにこの能力のほかに、試合をするときに重要になるものとして「調子」という項目もある。それはその選手のいまの調子を示すもので、「絶好調」「好調」「普通」「不調」「絶不調」の5段階で示される。たとえば筒香選手が絶好調の状態で試合に出れば、さっきの能力よりもアップした状態になるし、絶不調であれば能力が下がってしまう。調子によって本来の能力を発揮できるかどうかが変わってくるのだ。

 

なぜこんな話をしたのかと言うと、このパワプロの「能力」と「調子」の関係が生きづらさから抜け出すためのヒントになるような気がしたからだ。ただ好きな野球の話がしたかっただけではない。ちゃんと生きづらさと関連した話がしたかったのだ。

 

なにが言いたいのかというと、以前、ぼくが「自分の性格をなんとかしたい」と悩んで、うまくいかず苦しんでいたころはパワプロでいう「能力」を上げようとしていた。自分のミート力を上げたい、走力を上げたいと悩んでいた。たしかに僕の人間としての能力はだいぶ低い。だから能力を上げようとするのは当然だったかもしれない。けど当時のぼくは調子が「絶不調」だったはずだ。精神を病んでいたし、とても絶好調な状態とは言えなかった。

 

能力も低い、おまけに絶不調。そんな状態の人間が人生うまくいくわけがない。パワプロでいえば、試合で活躍どころか、試合にすら出れないだろう。絶不調であれば練習をしても能力が伸びにくいだろうし、ケガをする可能性も高くなる。とにかく「絶不調」はなにをやってもよくならない状態なのだ。

 

と考えれば、まずやるべきなのは「能力」を上げることではなく、「調子」を上げることだ。絶不調から絶好調にするとまではいかなくても、とりあえず「普通」にするのが先決だ。能力を上げようとするのは絶不調状態を抜け出してからのほうがいろいろと効率がいいのだ。

 

去年の8月ごろ、ぼくはニートであることへの焦りをいったん忘れて、好きなことを思いっきり楽しむことにした。ちょうどオリンピックがはじまったし、プロ野球も盛り上がっていた時期だし、高校野球もはじまった。自分が楽しい気分になれるものがたくさんあったので、それらをめいっぱい楽しむことにした。

 

それから生活習慣も良くするように意識しはじめた。よく寝ること、しっかり食べること、などをとくに意識した。そうしていたら、いつのまにか元気になっていて、生きづらさを感じることを忘れていた。そして9月には「よし、はたらこう」という気分になり、10月からはたらきはじめることができた。

 

自己嫌悪におちいっているときは、いますぐに「能力」を上げようと焦ってしまう。そしてさらに自己嫌悪におちいって悪循環がはじまり、だんだん病んできて「調子」が下がってしまう。そうなってしまったら、遠回りのように感じてしまうけど、いったん「能力」をあげようとするのをやめて、「調子」を回復させることに専念したほうがいい。結局そっちのほうが近道だったりする。

 

自分が楽しい気分になるのはどんなときか、なにをしたらポジティブになれるかをつねに探しながら、なるべく自分が「好調」をキープできるように日々、こころと身体のコンディションを整えることが大事だと思う。