生きづらいふ

人生をクリアに、シンプルに、さわやかに。

コミュ障の叫び

この三連休に入る前日の金曜夜。

新年一発目の飲み会があった。仲の良い会社の同僚たちとの飲み会だったので、そこまで憂鬱なイベントというわけでもなく、普通に楽しめるはずの飲み会だった。

が、結果から言うと最悪だった。

途中でほんとうにブチ切れそうだったし、速攻帰りたかった。おかげでこの三連休を最悪な気分でスタートすることになり、もうだいぶ気持ちを立て直したとはいえ、まだ思い出すと少しむかついてくる。

なにがあったのか。

ぼくは普段イジられキャラで、職場でもいろんな人からそういう扱いを受けている。それは学生時代からそうだし、正直嫌いなポジションじゃない。コミュ障のくせに、おもしろいと思われたいという魂胆はあるので、受け身でいながらも笑ってもらえるこのキャラは都合がいい。

だから、自分のコミュニケーション手段として、そういうキャラでい続けている。いつどんなときでも、なにかイジられればリアクションしている。どんなにめんどくさくてもたいていはなにか返す。(たまにスルーするときもあるけど)

自分から話しかけたり、話題を作ったり、話を広げたり、そういうことができないコミュ障のぼくにとって、唯一のコミュニケーション手段がそれなのだ。誰かにイジられる。ぼくがそれにリアクションする。笑いになる。(スベることも多々)

逆に言えば、それ以外の普通の会話の場面ではなにもできない。話題なんてなにも思いつかないし、なにか気の利いた返しも出てこない。適当に「うん」とか「あー」「たしかにね」と相槌を打ちながら、適度に笑ったりすることくらいしかできない。

そうしていると、ぼくにとってはそれだけでも十分会話に参加しているつもりなんだけど、やはり周りからすると会話に入れていないように映るのか、突然パスが飛んでくる。みんながパス回して前線に上がっている最中、眺めることしかしてなかったぼくに急にロングパスが来る。

不意にボールが来て、次にどこにドリブルしたらいいかもわからないし、誰にパスを出すべきかもわからない。とりあえずえいや!で蹴ってみると、たいていラインの外に蹴っている。いったんそこで会話終了。また仕切り直して次の話題へ。ということになる。

自分がボールを持つと、パスが繋がらなくなるとわかっているので、基本的には少し離れたところで見守っていたいのだ。自分はディフェンスで、相手から攻められたときにはいつでも止めるぞ、という準備はしている。が、みんながゴール目指して前に向かってパスを繋いでいるときには見守っていたい。

いつもそんなスタンスでいる。それなのに、その日の飲み会は。

ひたすらパスを受け続けた。優しさなのか、嫌がらせなのかわからないけど、まったく休ませてもらえない。ディフェンスなのに無理やり前に上げられているような感じ。「あいつにボールを集めろ」と言わんばかりに。

それは「あいつもパス回しに入れてあげよう」というみんなの優しさなのか、単純にそのほうがゴール決められそうだからなのか、いつもディフェンスばっかしてんじゃねえよ、というある種の罰なのか。わからないけど、とにかくぼくの許容範囲を超えたパスがたくさん来た。

きちんとみんなでパスを繋いで、繋いで、最後にシュートを決める。これは会話でいうと、バラエティ番組のトークみたいな状態だ。「オチ」というゴールに向かって、みんながパスを繋いでいく、どこにゴールがあるかある程度みんな予測しているなかで、最後にきちんとシュートを決める。

こういう会話はテレビの向こうのタレントさんたちだけでなく、一般の人たちもする。みんなちゃんと空気を読んで、適度にまわりにパスを出しつつ、繋いで、最後ちゃんとオチをつける。なぜみんなこんな難しいことができるのかぼくには不思議で仕方ないんだけど、みんなやっている。(ぼく以外全員一回NSCに通っているんじゃないだろうか)

そんなハイレベルな状況に追い込まれて、パスもできない、シュートもできないやつにひたすらボールが集まってきた。自分なりに必死にパスを返そうとしたり、シュートを打とうとしたりもしたけど、ことごとくミスをした。

それでも、パスを出し続けるのでだんだんと嫌になってきた。みんなぼくがパスもシュートも苦手なの知ってるじゃん。ディフェンスくらいしかできないの知ってるじゃん。なのに、なんでそんなにパスを出し続けるの?と。味方なはずのみんなが敵に見えてきた。

これはもういま思えば、単なるコミュ障の逆ギレでしかないんだけど、「できないんだからこっちに振るなよ!!」とだんだんイライラしてきた。この時点では、もうみんなのパスが「お前いつもディフェンスしかしないで怠けてるんだからたまにはこっちの仕事もしろよ」というメッセージに思えてきた。(被害妄想だと思うけど)

パスを受ける。ミスをする。後ろに下がろうとする。またパスを受けて、前に上げられ、ミスをする。そしてみんなは「あーあ、なにやってんだよ」という空気になる。この繰り返しがでイヤでイヤでたまらなくて、久しぶりにブチ切れそうになった。

ほぼ同世代の同僚とはいえ、仕事仲間であるが故に、今後の関係性に支障が出るような言動はできない。してもいいんだろうけど、今後仕事がしにくくなるのでぼくはしたくない。だからぐっっと堪えた。けっこう表情・態度には出ていたと思うけど、ギリギリ耐えた。

一次会が終わったところで、怒りがピークだったので帰ろうかと思った。けど、二次会に行く流れになってしまった。そこで帰ればよかった。帰る選択肢も当然あったはず。だけど、言えなかった。ここが自分の弱さ。悔しかった。自分が嫌だと思う空間から、抜け出すことすら選択できない自分が嫌だった。

その後も同じように、むしろさっきよりももっと追い込まれた。話題はぼくの恋愛の話になり、「なぜ彼女を作らないのか」「いま気になっている人はいないのか」「○○ちゃんはどうなのか」とか、いろいろと突っ込まれる。

そして、ぼくは一言も言っていないのに、「どうしたらぼくに彼女ができるか」という話になった。みんな好き勝手にあーだこーだ言い始める。ぼくが「彼女を作りたいんだけど、どうしたらいいかな?」と相談しているなら、なにもおかしくない。むしろ相談に乗ってくれてありがたい。

でもそんなこと一言も言っていない。おもしろがってるのか、親切で言っているのか、ほかにおもしろそうな話題がないから言っているのか知らないけど、余計なお世話だ。いや実際、自分でなにも努力できていないので余計ということはないんだけど、気持ち的にはそう言いたかった。

完全に不機嫌だったので「いやいや」とか「うーん」くらいの薄いリアクションくらいしかしていなかった。すると「なにがそんなに嫌なの?」とか「彼女欲しくないの?」とか言われる始末。いやうるせえ、と。お前らが勝手にごちゃごちゃ言ってるだけだろ、と。

そんなこんなで二次会は終始そんな話をし、その後ようやく解散となった。

その帰り道。ぼくは怒りと惨めな気持ちでいっぱいだった。

できないことをやらされて、好き勝手に言われて。ふざけるな、と。そんな気持ちの一方で、でも結局自分が悪いんだろう、とわかっていた。自分がコミュ障なのがいけないんだ。自分がコミュ障じゃなくて、みんなと同じようにパスが回せて、適度にシュートが打てればこんな思いはしなかったはずだ、と。

だから悔しかった。惨めだった。

せっかくの三連休なのに気分は最悪で。なんとかこの嫌な感情を振り払いたかったけど、ふとした瞬間に怒りや惨めさを思い出していた。少しずつ時間が経つにつれて調子が戻ってきたので、今日はわりかし元気だったが、それでもいまこれを書きながらまた思い出してムカついてくる。

でもそれ以上に、そのことに囚われてすぎていつまでも気分が沈んでいることのほうが嫌になってきた。せっかくの三連休だったのに。先月からメンタルの調子もよかったのに。年始に目標立ててがんばろうとしていたのに。

そう思うと、こんなことでいつまでも落ち込んでいられない、と思えてきた。さっさと切り替えて、また元気に仕事もプライベートもがんばって充実させよう、と。周りのどうでもいいイジりなんか忘れて、自分の人生に集中しようと思った。だから最後にブログに吐き出して、それで切り替えようと。

おかげでけっこうすっきりできた。正直この三連休の間、ここまできちんと自分の感情を言語化できていなかった。でもいまこれを書いたことでだいぶ整理できた。100%正しく表現できていないけど、自分が感じたメインの感情は書けたはずなのでOK。

また気を取り直してがんばるぞ!