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生きづらいふ

人生をクリアに、シンプルに、さわやかに。

中学生のときの爽やかな日常を思い出す/『クラスメイツ』

書評

久しぶりに小説を読んだ。森絵都さんの、『クラスメイツ』。上下巻に分かれていて、中学1年生の一年間を題材にした物語ということもあって、〈前期〉〈後期〉に分かれている。

 

やっぱり小説はいいな、と思わせてくれた作品だった。最近はビジネス書や新書ばかり読んでいたけど、読んでいて感情が揺れうごく小説もやっぱりいいものだ、と思った。とくに、僕は森絵都さんの作品が好きなんだ、と再認識させてくれた。

 

この作品は24の短編から成っていて、前期に12編、後期に12編、収録されている。北見二中という中学の1年A組が舞台になっている。1年A組には24人のクラスメイトがいる。そう、これは24人のクラスメイト、一人ひとりを主人公にした24の短編小説なのだ。

 

 

4月の入学式から、3月の修了式まで少しずつ時を刻みながら、物語は進んでいく。だけど、主人公が少しずつ変わりながら時間が進んでいくので、そのたびに世界が変わる。Aちゃんから見た1年A組、Bくんから見た1年A組、Cさんから見た1年A組。みんなそれぞれに、違う世界で生きていて、中学生らしい心の揺れうごきが起こる。

 

女子らしい友だちとの仲たがい。女子が気になるけど、不器用に接してしまう男子。自分の居場所を見出せなくて、不登校になる子。自分がこのクラスを支えるのだ、と正義感いっぱいのクラス委員長。

 

読めば、自分も25人目のクラスメイトだと思ってしまうほど、1年A組の教室に入り込んでしまう。そして、なにより不器用ながらも、ちいさな壁を中学生らしく乗り越えていく過程を一緒に体験しているような気分になる。また、改めて中学生に戻ったような新鮮な気持ちになる。

 

森絵都さんの小説はいつも、読んだあとに爽やかな気分になる。「ああ、人生っていいものだな」と、感慨にふけってしまう。あの読後感が大好きだ。

 

クラスメイツ 〈前期〉

クラスメイツ 〈前期〉

 

 

クラスメイツ 〈後期〉

クラスメイツ 〈後期〉

 

 

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