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『我が逃走』を読んだので感想

家入一真さんの『我が逃走』を読んだので感想を。

 

読んだ直後の感想としては、「めちゃくちゃおもしろかった!」という感じ。ひさしぶりに家入さんの本を読んで、ひさしぶりにまた圧倒された。とにかくやばい。

 

どんな本なのかを簡単に説明しておくと、この本は家入一真さんの自伝本。『こんな僕でも社長になれた』という前作の続きで、前作では生まれたころから、最初の起業までのできごとが書いてあった。『我が逃走』ではカフェ事業をはじめたり、起業した会社の上場に取り掛かった2007~2008年くらいから2014年暮れまでのことが書かれている。

 

前作もかなりおもしろかったけど、今作のほうがはるかにおもしろい。なにがおもしろいのかよくわからないけど、家入さんのめちゃくちゃな人生にどんどん惹きつけられていった。

 

家入さんといえば、元ひきこもりから社長になった、そしてダメ人間。前作ではひきこもっていたときの状況がよく書かれていたけど、今回はダメ人間なところが思いっきり書かれていた。僕もダメ人間だと思っているけど、そんな僕でも読んでいて、「ええ...」とどん引きしてしまうのようなできごともあった。

 

あとさき考えずどんどん飲食店をオープンさせ、経営が苦しくなり、経理担当から何度も「このままじゃやばいです」と忠告されても、「お金はたくさんあるから」とまったく現実を見ずに、無鉄砲に行動していく場面で、「やばいなこの人」と思ったのと同時に、「自分も人のこと言えないな...」と焦りを感じた。

 

結局、数億円あった資産をほぼゼロにしてしまってからの再スタートもまたおもしろかった。CAMPFIREとかBASE、そしてリバ邸ができていく様子なんかも知ることができた。あと都知事選に出馬する経緯、選挙活動の様子、選挙後のこと、とかも。

 

僕がはじめて家入さんを知ったのは都知事選だった。20歳になってはじめての選挙。自分が選挙権を持ってはじめての選挙。政治のことはよくわからないけど、自分なりの価値観でしっかり投票する人を選ぼうと思って、候補者と公約が書いてあった新聞を見た。そこに立候補した家入さんの名前があって、そこではじめて知った。

 

最初は若手起業家ってことでなんかうさんくささがあった。けど、公約を見て考えが変わった。僕は前々から政治にたいして、「難しい顔したおじさんたちが偉そうになんかやってる」ってイメージがあって、それってなんかちがうんじゃないかと思っていた。政治はもっと国民の声を聞いて、国民に寄りそうものじゃないかと思っていた。

 

選挙の公約というと、だいたい「私は~を実現します!」ということが書かれている。けど、家入さんの公約はちがった。「東京はどうしたらよくなるだろう?」という疑問が投げかけられていて、「東京がどうしたらよくなるか、みんなで考えていこう」というスタンスだった。そのスタンスがいいな、と思って僕は家入さんに投票することを決めた。

 

ちょうど『我が逃走』で選挙の前日、東京はめずらしく大雪だったということが書かれていて、「そういえば、雪道を転びそうになりながら、はじめての選挙に行ったなあ...」と感慨に耽ったりもした。

 

そうそう、あと家入さんの秘書を務めた内山さんという女性がよく登場したんだけど、僕はじつは内山さんがこの本の第二の主人公なんじゃないか、って思うほどインパクトが強かった。ダメダメな家入さんのありとあらゆるお世話を担当し、呆れて投げ出してしまったとしてもおかしくないような状況でも、淡々と仕事をこなす内山さんに感動した。ぜひ内山さん自身に、家入さんの秘書生活を本に書いてほしいと思った。

 

とりあえずすごくおもしろかった。そしていろいろ迷いながらも、あまり深く考えずにどんどんいろんなものを作っていく家入さんの生き方に触れて、僕もなんかやりたいな、と思った。ニートになってから日ごろそう思ってるけど、さらにそう思うようになった。次回作にも期待。

 

我が逃走

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