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どうすれば幸せになれるのか『幸せになる勇気』感想

久しぶりに読書感想を。

 

ベストセラー『嫌われる勇気』の続編『幸せになる勇気』を読んだ。

 

前作を読んだのはもう5年くらい前で、友人に借りて読んだので手元にもない。なので内容をほとんど覚えていないんだけど、ひとつだけ覚えていることがあって、それは「課題の分離」という考え方。

 

人間関係で相手の顔色を伺ってしまったりすることはあるけど、相手が決めること、自分が決めることをしっかり分けて考えましょう的な話で、その行為・選択の結果を引き受けるのが相手である場合は、そこに自分は介入してはいけないし、気にする必要もないという。

 

たとえば、「相手に嫌われるかもしれない」と不安だとしても、嫌うかどうかを決めるのは相手で、そこに自分が介入して嫌われないようにコントロールするのはよくない、と。しっかり課題を分離して考えましょう、と。

 

この話だけ衝撃的だったのでよく覚えているんだけど、この5年間実践することはなかなかできなかった。

 

で、今回読んだのはその続編。

 

読書自体がけっこう久しぶりだったので、あまりすっと頭に入ってこないというか、読んでいても内容を自分の頭で咀嚼することがなかなかできず、活字をただ追っているだけという感じだったので、あまりうまく感想を書くことができないと思うんだけど、印象に残った箇所についてだけ書いてみる。

 

この本の最終章で、「自立」について書かれている。

 

この本でいう自立とは、経済的な自立とかではなく、精神的な自立。本に書かれている表現で言えば、「自己中心性からの脱却」。自立というのは、自己中心性からの脱却である、と。

 

どういうことか。

 

誰しも赤ちゃんの時代がある。赤ちゃんのころは、自分が世界の中心に君臨していて、自分が泣けば母親があやしてくれる、かまってくれる、食事をくれる、寝かしつけてくれる。自分の行動によって世界が動く。

 

なぜそうするか。それは赤ちゃんが「弱い」から。

 

放って置かれてしまってはすぐに死んでしまうような弱い存在だからこそ、周囲の助けを必要とする。そして弱い存在を人は守ろうとする。その弱さをもって、赤ちゃんは大人たちを支配している、と。

 

そして、弱さで人を支配しているのは赤ちゃんだけではない。一部の大人も。

 

多くの大人たちもまた、自分の弱さや不幸、傷、不遇なる環境、そしてトラウマを「武器」として、他者をコントロールしようと目論見ます。心配させ、言動を束縛し、支配しようとするのです。

 

赤ちゃんは大人たちに守ってもわらないと死んでしまうので、必然的に弱さを武器にして大人たちをコントロールしている。しかし大人になっても、いつまでも世界の中心に君臨して、周囲をコントロールしようとしてしまう人、つまり自立できていない人がいる、と。

 

ここを読んだときに、「うわああああああ」と頭を抱えそうになった。これじゃん、ぼくがやってることこれじゃん、と。要は、不幸アピールをして、かわいそうな自分を演出し、同情を得たり、サポートを得たりしようとしている。承認欲求を満たそうとしている。

 

意図的にそうしてるわけではないものの、深層心理としてはそうだと思う。チヤホヤされたいという承認欲求を満たすために、自分を責め、落ち込み、苦しみ、そんな自分を見てもらおうとしている。いまだに自分が世界の中心にいると錯覚している。

 

じゃあ、どうすれば自立できるのか。

 

結論から言えば、人を「愛する」ことらしい。

 

自立できていないとき、自分がまだ世界の中心にいると錯覚しているとき、人生の主語は「わたし」になっている。自分が中心だからだ。

 

しかし、人を愛せば、主語は「あなた」になる。世界の中心は「わたし」ではなく「あなた」になる。そしてさらに、愛する人と結ばれて二人で生きることになれば、人生の主語は「わたしたち」になる。自分だけの幸せでもなく、あなただけの幸せでもない、「わたしたち」二人の幸せを目指すようになる。

 

「楽をしたい」「楽になりたい」で生きている人は、つかの間の快楽を得ることはあっても、ほんとうの幸せをつかむことはできません。われわれは他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されます。他者を愛することによってのみ、自立を成しえます。 

 

ということで、この本のメッセージを一行で表すなら、

 

「幸せになりたいなら、人を愛しなさい」

 

になる。

 

わかりやすいといえばわかりやすいし、納得感もあるっちゃある。ただ実践するのは難しいな、と。自分に矢印が向いている人間がどうしたら相手に矢印を向けられるようになるのか。そこが難しいなと思った。

 

ただ目指すべき道を示してくれたという意味では読んでよかったなと思った。それに、前作と同じ対話形式の本なので、久しぶりの読書としても読みやすくてよかった。一週間くらいで読めた。

 

気になる方はぜひ。

 

幸せになる勇気

幸せになる勇気